たまに、自分が書いた記事がどこかで実際に使われているのか気になることがあります。PVや検索流入ももちろん意味はありますが、誰かが自分の記事の参考資料として残してくれているかどうかは、また別の種類の痕跡だからです。
今回は、その中から見つけた例を簡単に紹介してみようと思います。
1. Spring DIの記事を参考にしていたQiita記事
最初に確認できたのは、Qiitaの〖Spring〗@Autowiredはコンストラクタインジェクションで使おう!です。
この記事は、Springで@Autowiredをどう使うのがよいか、特にフィールドインジェクションよりコンストラクタインジェクションがなぜ望ましいのかを説明しています。記事末尾の参考資料には、自分が以前書いたSpring DI関連の記事が含まれていました。
面白かったのは、リンクが現在の/posts/...構成ではなく、昔のブログ構成のURLだったことです。Hugoに移行する前のアドレスが、今でも誰かの記事の中に残っているということでもあります。かなり前に書いた記事が、別の人の説明を補強する参考資料として残っているのは素直にうれしく感じました。
2. Collectors APIの記事で参照されていたJava 9〜11の記事
次に見つけたのは、Qiitaの〖Java〗CollectorsAPI 1000本ノックです。
この記事はJavaのCollectors APIを例付きで幅広く整理したもので、flatMappingを説明している箇所で、自分のブログの9からの新メソッドめぐりが参考資料としてリンクされていました。
特に印象的だったのは、記事トップではなくflatMappingの説明があるアンカーまで直接リンクされていたことです。必要な文脈をピンポイントで補うために使われていた、ということだと思います。技術記事はこうして特定のAPIや細かな仕様の補助資料として読まれることがありますが、こういうリンクは単なる紹介以上に「実際に使われた」感じがします。
3. JavaのZIP圧縮記事で参照されていたファイルコピーの記事
三つ目は、SOFTEMCOM Developers BlogのJavaでファイルをZipに圧縮する方法(2023年版)です。
この記事はJavaでZIPファイルを作るコードを整理しながら、transferToを使ったファイル処理にも触れています。その流れで、自分のブログの今更なI/Oの話が参考サイトとして紹介されていました。
この例が面白いのは、自分の記事のテーマとまったく同じ話題というより、近い技術的文脈の中でつながっていたことです。「ファイルコピー」というテーマが、より広くはストリーム処理やI/Oの扱い方の話の中で再利用されていたわけで、ブログ記事がこうして別の説明の材料になっているのはなかなか興味深いことだと思いました。
4. Loglassの技術スタック記事で参照されていたKotlin性能の記事
四つ目は、Zennのログラスのバックエンド技術スタック2023です。
この記事はLoglassのバックエンドチームが、2023年時点の技術スタックと採用理由、それぞれの長所や短所を整理したものです。Kotlinを説明する流れの中で、「Kotlinには隠れたコストがある」という文脈とともに、自分のブログのKotlinの隠されたコスト 1が参考資料としてリンクされていました。
これは個人的にかなり印象に残りました。単なる文法紹介ではなく、実際のサービス開発や性能感覚の話をしている記事の中で、自分の文章が参照されていたからです。Kotlinが好きかどうかとは別に、どこにコストが潜み、どこを気にするべきかを考えていた記録が、こういう文脈で再び使われたのは少し感慨がありました。
5. Ktor入門記事で参照されていたKtor第一印象の記事
五つ目は、ZennのSpringの代わりを求めた先に〜Ktor + Exposed〜です。
この記事はSpringの代わりにKtorとExposedを使ってみた経験をまとめたもので、最後の参考資料一覧の中に、自分のブログのKtorを触ってみたも含まれていました。
この例を見て、昔書いた「第一印象」系の記事も、あとから誰かの入門記事を補う役割を持つことがあるのだなと思いました。第一印象という名前だけ見ると少し軽く見えるかもしれませんが、初めて触る人がどこで引っかかり、どこを面白いと感じたかを残すという意味では、意外と実用的な記録なのかもしれません。
探してみて思ったこと
今回見つけた例は、どれも派手に引用されていたというより、記事末尾の参考資料や特定の文脈を補うリンクとして残されていたものでした。でも自分としては、むしろそういうリンクの方がうれしく感じます。実際にその人が記事を書く中で、「これは参考になった」と判断して残してくれた跡だからです。
もう一つ面白かったのは、参照されていた記事の性格がかなりばらけていたことです。SpringのDIのような基礎、Java APIの細かな変化、ファイルI/Oのような日常的な話題、Kotlinの性能やコスト、そしてKtorを初めて触ったときの感想まで含まれていました。たくさん読まれる記事だけが価値を持つのではなく、誰かが自分の説明の隙間を埋めるために手に取る記事も、十分に長く生き残るのだと思います。
昔の記事を読み返すと、今の基準では物足りないところもあります。説明が荒い部分もありますし、今ならもっとよい書き方ができると思うテーマもあります。それでも、こうして誰かの参考資料として残っているのを見ると、完璧ではなくても、その時点で考えていたことを書き残しておく意味はちゃんとあったのだと感じます。
最後に
今回確認できた外部からの言及は多くありませんでしたが、少なくともいくつかの記事では、自分のブログがはっきり参考資料として使われていました。昔のURL構成のまま残っているものもありましたし、思っていなかった文脈で再びつながっていたものもありました。
技術ブログは、いつでも最新の正解だけを書く場所である必要はないと思っています。むしろ、その時点で何を考え、どこで詰まり、どう理解したかを残しておく記録が、あとから誰かの役に立つこともあります。今回見つけたリンクは、そのことを静かに示してくれる痕跡のように感じました。
これからも、こういう痕跡が少しずつ増えていけばうれしいです。そしていつかまた似た記事を書くなら、そのときはもう少し多くの例を集めて、続編のようにまとめてみたいと思います。
